身近なところであった本当の話です。
その方はご家族が事業で成功したため、莫大なお金と資産を持っていました。
そのため、毎年様々な収入があり、当然相当な儲けがあるため
その儲けに対して税金がかかることになります。
その方は税金を払うことを極端に嫌っていたため、
1年中節税対策ばかりに時間を費やしていました。
節税に命を懸けているという表現がぴったり。
そのせいか、いつお会いしても不機嫌そうでした。
必死で節税を考えている姿は見るものの
生活以外にお金を使っている様子もなかったので、
すでにお金は腐るほどお持ちなのに何か目的があるのかな?と思っていました。
節税はうまくいったようですが、
その方は節税により貯めたお金を使うことなくお亡くなりになりました。
ほんとうに節税に命を懸けてしまう結果となりました。
何のための節税だったのか。その節税にどれだけの時間を費やしたのか。
恐らく「取られたくない」が強すぎたのでは・・・
これは極端な例ですが、多くの会社や事業主が似たようなことをしています。
日本では税金は取られるものだという意識が強いですし、
100万円儲かれば100万円自分のものにしたいという欲が出るのも分かります。
税金を減らしたいと考えている時間も、
誰かを喜ばせたいと考えている時間も、
どちらも自分の人生の一部、その間寿命は縮まっていきます。
節税を考えている時間がもし、孫の顔を見る時間だったら・・・
もっと笑顔があったのではないかと思います。
税金にとらわれ過ぎている方を税金から解放して差し上げる、
というのも税理士の仕事のひとつなのかなと思います。