2018年上海国際マラソン レース編

中国人たちと一緒に中国国家を斉唱し、
号砲の聞こえぬままいつの間にか始まった上海マラソン。
周りの人たちも「もう始まったんか~」みたいなことを言っています。

全体のコース図はこのようになっています。
上海中心部をぐるぐると回ったあと後半はやや郊外でマラソンに専念、
また高低差がほとんどないなど
今年までの大阪マラソンに似たタイプのコースです。

スタートに並ぶ中山東一路は6車線ほどある非常に大きな道路ですが、
スタート後の金陵東路は3車線ほどの普通の道路なので、
スタート時間の数分後からじわじわと進み始めます。
(Eブロックの後方でしたので)

何百メートルか歩いたところでようやくスタート地点が見えてきました。
あっ前方に見えていた大きな傘はたたまれています、残念。
しかしどう処理したのか気になります。

スタート地点に近づくと地面にレインコートがいっぱい落ちていました。
防寒対策だけでなく小雨も降っていましたので雨対策のため
レインコート着用でスタート待ちの選手が多かったのですが、
お国柄でしょうか、ちょっとお行儀がよろしくないところが出ていました。
私はお行儀の良い国代表として5キロ地点のごみ箱まで持って走りました(笑)
中国人も「おいおい滑るやんけ!」とツッコんでました。

スタート地点に到達したのがスタートから12分後でした。
3万人走る大会で後方からと考えると非常にスムーズではないでしょうか。

後方スタートの場合は日本の大会でも同じですが大渋滞です。
初めの1キロは6:20かかりました。
最後方のEブロックに半数近くの選手が配分されているため
実力差が大きく、どんどん抜いていく人もいますが
人が密集しているため相当なパワーが必要です。(私にゃ無理)
仕方なく流れに身を任せ、上海の街中を走れている喜びを味わいながら
ゆっくり走りました。

スタートから2キロで数十年前まで上海一の繁華街だった南京東路に入ります。
普段から歩行者天国ではあるのですが、
こんなところを走れるのは感動します。
二十数年前の留学していた頃の記憶がよみがえります。
しあわせ気分でタイムなんてどうでも良いや。

続いて人民公園の横を通って南京西路に入ります。
南京東路より少し落ち着いた雰囲気で、大きなショッピングモールや
外資系のショップがたくさん見えました。
ここで5キロ地点に到達し、最初の給水ポイントがでてきました。
給水ポイントは水とスポーツドリンクが用意されています。
スタイルは日本の大会と全く同じです。
水とスポーツドリンクは、コップとテーブルの色で区分されています。
オフィシャルスポーツドリンクは「魔力(製品名)」でした。普通においしい。


5キロ通過が31分・・・タイム以外で楽しもう!
しばらく南京西路を走って華山路のところで左折し南下していきます。

上海に出張に行った人は必ず通ったことがある
上海中心を東西に走る延安高架の下を抜けていきます。
車に乗ってこの延安高架を走っているときが一番「あ~来たぜ上海」と上海の雰囲気を感じます。
留学中、出張中に脳内でタイムスリップします。

沿道の応援は中国らしく、民族衣装を着てドラや太鼓を鳴らしながら
応援してくれるおばさまのグループがたくさんいました。
(走りながらの撮影のためぶれてしまい、まともな写真がないのが残念)
今回はスタートから小雨で、途中から大雨となりましたが、
沿道にはたくさんの人が応援に来てくれており、
大きな声で「加油!加油!(チアヨウ:がんばれ)」と応援してくれるので、
パワーをもらえますし、始終楽しい気分で走れました。
雨でなかったらもっと多くの方が応援してくれるのではないかと思うと
また来年も走ってみたくなります。

延安高架をくぐりしばらくすると次は淮海中路です。
ここも昔からある繁華街で、外資系のブランドショップがずらーっと並んでいます。
こんなところを走っているなんて夢のようです。

ペースランナーも3時間から30分刻みで6時間まで設定されています。
ハート型の風船に設定タイムとケンタッキーと書いています。
ペースランナーの頭にはチキンの角が2本生えています。
9キロあたりでようやく5時間のペースランナーを追い抜きます。遅っ。

10キロ通過が1時間2分。非常に遅いのですが
ランナーを抜かし続けるためにジグザグに走り速度を上げ下げし
パワーを消費するため脚はすでに疲れ始めています。
マラソンに限らず中国は何かとパワーを消費するのです!(^^;

そうこうしてる内にトイレに行きたくなってきたのですが、
前半戦は仮設トイレがほとんどありません。
10キロすぎに公共トイレがあり、多くのランナーが駆け込んで行くので
ここしかないかも!と行ってみましたが少し渋滞していました。
そして・・・マラソン中は一刻も早くトイレを終えレースに戻りたいため
公共トイレの中は無法地帯と化していました(とても書けない!)。
中国のトイレに慣れていない方はゴールまで我慢することをおすすめします(笑)
私は大丈夫。楽しかった(^^; 記念撮影をしレースに戻ります。3分ほどロス。

上海の超中心部を抜けたので興奮も少し落ち着き周りのランナーを見たりしながら走ります。
上海マラソンは日本のマラソン大会と比べて女性ランナーが非常に多い印象です。
筋肉を見ると競技でやってた経験があるんだろうなという方が多かったです。
外国人も6000人ほど走っているようですが、
見た目で分かるのは欧米人くらいなのでそんなに走っているようには見えませんでした。
これは日本人確定だなと思ったのはゴールまでで2名のみでした。

いろいろな事に思いを馳せ、走るためのエネルギーとして大事な大事な糖質を
脳で消費してしまいつつ、それでも上海を走れているしあわせを噛みしめながら
あっという間に中間地点まで走ってきました。
中間地点通過が2時間19分ほど、スタート12分遅れを差し引いても2時間7分。
せっかくマラソンをしに来たのだからせめて4時間は切りたい!
幸いにも後半は馴染みのない郊外を走るのでマラソンに専念できる!
ということで後半戦は4時間を切ってゴールをするというのを目標に走りました。

ギアを2段ほど上げマラソンモードで走ります。
後半は雨脚が強くなってきました。くっそー。
でも雨のマラソンも頑張ってる感がアップしなかなか悪くないな。
雨の中もたくさんの応援がありランナーを後押ししてくれます。
後半は沿道に余裕があるためかバンドの演奏や歌がたくさん見られました。
中国の流行りの曲を聞くと中国で走っている実感が湧き、なんだか元気になります。

走りに専念していたため写真を撮っていませんが、
後半はオフィシャルの給食・給水以外に私設エイドや私設救護がたくさん出てきました。
ゆっくり休憩しながらでしたら私設エイドも楽しめると思います。
今回はそれには目もくれず、4時間目指してペースを上げます。

30キロを過ぎると沿道から「あと〇〇キロー、がんばれー」の声援が多くなりますが、
中国は少し気が早くて、残り11キロを切った途端に残り10キローと叫んでいる人がいます。
日本人の感覚からすると1キロ早いです(笑)

レース後半で予想を大きく裏切られた出来事がひとつあります。
中国のマラソン大会では後先考えずにハイペースで飛ばし、
後半あきらめて歩いている人が続出、なんてシーンを想像していたのですが、
中国人ランナーはほとんど歩いていません。
日本の大会で4時間前後ですと歩いている率は結構高いですし、
3時間半くらいでも歩く人は多いのですが、
中国では4時間ですらほとんど誰も歩いていないのです。
中国四千年の意地でしょうか。これはちょっとびっくりしました。

トイレ休憩をもう一度はさみつつ(今度は仮設トイレ、これも書けない!)
そんなこんなであっという間にゴールの上海体育場へ。
ラスト1キロのあたりでラスト200メートル!という応援があったり、
雄たけびをあげる人が増えたり、
中国らしさを最後まで感じながらゴールへ向かいます。

途中から時計はチラチラ見ていたものの、
エネルギー不足で計算できる余裕などなく、とにかく力を出し切ることだけ考えて走っていると、
なんとゴールタイムは3時間59分27秒!(スタート地点からのタイムで)
不思議なもんですね~


思い出の地上海での初海外マラソンは非常に楽しく走ることができました。
応援の方やボランティアの方には本当に感謝しています。謝謝!

レース後も海外マラソンならではの出来事がありましたので、
またご報告したいと思います。

   

1 thought on “2018年上海国際マラソン レース編

  1. 熊田真也 返信する

    良いコメントでしたね。僕は、中国には行ったことがないですが、今年は、上海マラソン?抽選で当選したら初上陸をしたいと思います。

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