先日MGCという東京オリンピックのマラソン代表を決めるレースがありました。
これまでは代表者選考過程が不明確でしたが、
このレースの順位で代表者を決めると明確になったので、
過去に例のないほど緊張感のあるマラソンレースが楽しめました。
順位のみが考慮されるということと、
夏のような気温でのレースということで、
多くの専門家がスローペースとなり後半勝負になるとの予想をしていました。
(通常マラソンは気温が高いとタイムが悪くなります)
ところが、レースが始まると男子は設楽選手が冬のレースと同じくらいのペースで飛ばし、
女子は一山選手がややハイペースで全員を引っ張るという
予想外のレース展開となりました。
マラソンは前半に自分の実力よりも若干速いペースで走っただけでも
後半は大きくペースダウンしてしまいます。
これは市民ランナーでも体験できるのでオリンピックを目指す選手は当然分かっています。
それでももしかしたら超えてしまうかもしれないけれど、
自分の限界ギリギリを攻めたのだと思います。
残念ながら二人ともゴールまではスピードがもたず
順位も下がっていってしまいましたが、
おかげでレースは大いに盛り上がりました。
一発勝負で後半バテるかもしれないペースで突っ込むのは相当な覚悟が必要です。
実業団の選手なので自分のことだけを考える訳にもいきません。
そんな中で挑戦したお二人の勇気に、多くのマラソンファンが興奮しました。
このレースだけを見れば失速したことから失敗レースと評価する人もいるかもしれませんが、
長い目で見ればたくさんのものを得たはずのこのレースはきっと成功レースです。
将来「あのレースがあったからこそ今がある」と言える日が来れば、
大成功レースだったとも考えられます。
ほんとうに挑戦したお二人の姿はかっこよかった。
あんな人間になりたいと本気で思いました。
誰に何と言われようと、自分のやりたい事なら挑戦する。
・・・さあ今日もがんばろう!